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くらげの唄 [CD&DVD]

12/28から1/3までの年末年始は、終始自宅でゆったりと過ごしていた。
騒がしいTV番組は殆ど観ずに、普段落ち着いて聴けない音楽ばかり(合唱音楽が中心)を聴いていた。
今後の選曲の参考にしようと、慶應大学ワグネルソサエティ男声合唱団のHPを覗き、あれこれと聴いていたら、『くらげの唄』が音源アップされていた。
早速気になって鑑賞するも、男声合唱団イル・カンパニーレの演奏を聴きたい衝動に駆られ、昔のiPodに収録していた音源を聴いた。
 「感傷的な二つの奏鳴曲」〜『くらげの唄』『落下傘』 
  作詩:金子光晴 作曲:高嶋みどり

私はイル・カンパニーレの短期留学生(2004年−2005年)として、2005年朝日コンクール埼玉県大会に出演した(2004年朝日コンクールも出演)
自由曲で『くらげの唄』を歌い、結果は銀賞[総合第6位]であった。
曲全体に海の中を漂う浮遊感、ピアノが奏でる16分音符の繊細で透明感あるパッセージが特徴的で、作曲の完成度が高い。
選曲される頻度はあまり高くないが、この曲、実は秀作である。
この曲を選択した小高先生やイルカン・メンバーの感性が凄いと、今でも思う。
自画自賛と思われて恐縮であるが、上手じゃん!と思い、数回繰り返し聴き入る。
Top Tenorが上のB♭、しかもppのヴォカリーゼから始まる曲の冒頭が、非常に印象的。
Top Tenorは曲の最終音も上のB♭、しかもppという難曲である。
団長のUさんから、最初に譜面を渡された際の偏見(くらげ!って何?)は、練習を重ねるごとに消えていった.....
私の好きな作品の一つとなった。

 ゆられ、ゆられ
  もまれもまれて
   そのうちに、僕は こんなに透きとほつてきた。
 だが、ゆられるのは、らくなことではないよ。
  〜 略 〜
   心なんてきたならしいものは あるもんかい。
    いまごろまで。
     はらわたもろとも 波がさらつていつた。
 
   僕? 僕とはね、からつぽのことなのさ。
    からつぽが波にゆられ、また、波にゆりかへされ。
  〜 略 〜
   いやいや、こんなにからつぽになるまで
    ゆられ、ゆられ
     もまれ、もまれた苦しさの 疲れの影にすぎないのだ!

 ■全体の詩 http://uraaozora.jpn.org/pokane4.html
  最後の部分の詩は、胸にぐっさりと引っかかる。
 ■金子光晴氏(明治28年−昭和50年)
 大胆かつ柔軟な比喩により、リアルな生活感覚・肉体的実感あふれる詩を作った。とのこと。

タイトルからは離れるが、この時の課題曲が『Gloriosi principes terrae』(作曲:パレストリーナ)
私にとって、記念すべき《初パレストリーナ》
この曲を歌ってから、宗教曲に対する偏見と嫌悪感が、だんだんと薄れていったのである。

2004年から2005年までの短期留学を許していただいた指揮者:小高秀一先生、ピアニスト:野島万里子先生、そしてイル・カンパニーレのメンバー。
3者は、私の合唱人生における他団体への修行行脚の原点である。
その後、2004年9月からトンペイ・メモリアルズ、2005年12月からメンネルコール広友会、2006年5月から音空へと、活動の幅を拡げていった。
結局は拡げ過ぎてしまい、【時には】自分自身を苦しめていった.....

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