拉縴人男聲合唱團[Taipei Male Choir]東京公演 [木下牧子氏]
7/29(水)、杉並公会堂大ホールで開催された拉縴人男聲合唱團[Taipei Male Choir]東京公演を鑑賞した。
ポパイ:O氏とN君、メンネルA.E.C.のN氏、O氏、A氏、東北大学男声合唱団OB:K氏、東京大学コールアカデミーOB:W氏とご一緒する。
ロビーにて、松原混声合唱団のN氏[東京都合唱連盟副理事長/全日本合唱連盟常務理事]にお会いし、ご挨拶ができた。
●拉縴人男聲合唱團の紹介
▼木下牧子氏、聶焱庠氏、三好草平氏の交流
作曲家・木下牧子の日々 2007/11/13 会食
−1ステージ− 拉縴人男聲合唱團 指揮:聶焱庠
If Ye Love Me 曲:Thomas Tallis
Sicut Cervus 曲:G. P. da Palestrina
All that Hath Life & Breath Praise Ye the Lord 曲:René Clausen
・1曲目の入りの音を聴いた瞬間に、鳥肌が立った。
・柔らかい音色と破綻がない和声、ダイナミクスレンジ、アンサンブル、抑揚が実に巧い。
・彼らにとって得意なジャンルであろうと容易に想像できる。
−3ステージ− 拉縴人男聲合唱團 指揮:聶焱庠
男声合唱組曲「地平線のかなたへ」より
詩:谷川俊太郎 曲:木下牧子
サッカーによせて/二十億光年の孤独/ネロー 愛された小さな犬に
男声合唱組曲「新しい歌」より「きみ歌えよ」
詩:谷川俊太郎 曲:信長貴富
赤とんぼ
詩:三木露風 曲:山田耕筰 編:信長貴富
・木下作品、信長作品共に、爽やかに/若々しく/かっこ良く/表現している。
・日本語歌詞発音の違和感は、殆ど感じない。
・彼らの年齢層(20歳代)に合う曲調、和声、歌詞であることが相乗効果を得ている。
・会場には木下牧子氏がいらしていて、大きな拍手を寄せていた。
−4ステージ− 拉縴人男聲合唱團 指揮:聶焱庠
Dálvi duoddar luohti 曲:Seppo Paakkunainen
To ~ Music, When Soft Voices Die 曲:林明杰
Ave Maria 曲:林明杰
津軽じょんがら節 青森県民謡/曲:松下耕
Dálvi duoddar luohti(冬山のヨイク:ラップランド民謡)
・ヘルシンキ大学男声合唱団、なにわコラリアーズとは違ったサウンドであった。
・器楽的な和声や倍音唱法が響き、ホーミー歌唱?も十分に聴こえた。
Ave Maria
・現代的で軽快な曲調で、ノリが良い。
・松下耕氏のAve Regina Coelorumに良く似た楽曲だなあと感じた。
・個人的にはJazz調にした楽曲よりも、こちらを歌いたいかなあ。
津軽じょんがら節
・体に押し寄せてくる声量や迫力はないが、実に端正な演奏。
−6ステージ− 拉縴人男聲合唱團 指揮:聶焱庠
一隻鳥仔 A Crying Bird 嘉義民謠/編:曾興魁
等你到天明 Waiting for You until Dawn 新疆哈薩克民謠/編:瞿希賢
聖母頌 詩・曲:梁弘志/編:黃世雄
鳳陽花鼓 Fung Yang kuh lai 安徽民謠/編:馬文
・彼らならでは!のレパートリーで、魅力的な楽曲が続く。
・初めて聴いた曲ばかりであるが、どの曲も飽きずに聴け、心に届く曲ばかり。
等你到天明
・ウィグル族自治区に暮らすハザク族の民謡、美しい旋律が印象的。
[賛助出演団体]
Canto di Alauda[女声/埼玉県] 指揮:三好草平
舞の歌 沖縄民謡/曲:中村透
天烏烏 台湾民謡/編:蔡昱姍
花色カメレオン 詩:工藤直子 曲:松下耕
鳥 詩:川崎 洋/曲:松下耕
・確実にレベルアップしていて、和声の破綻が少なく、良くはもっている。
・声は以前と比較すると太く響くようになり、輪郭が明確になってきている。
・Altの響きを重視している演奏スタイルに好感が持てる。
・後半、Sopが疲れてきたかな?
・若い力は凄いなあ〜、若者の成長が、実に嬉しい。
・三好君、大変お疲れさまでした。そして、演奏会のご案内、ありがとう。
合唱団お江戸コラリアーず[男声/東京都] 指揮:山脇卓也
Hymn 曲:Jean Sibelius
「合唱のためのコンポジション第6番」より II 曲:間宮芳生
Choral Cepstram of Yidaki for male chorus 曲:池畑光浩
虹 詞・曲:森山直太朗/御徒町凧 編:信長貴富
・全体を通じて、健闘されていた演奏であったと素直に思う。
Hymn
・北欧曲を得意とする団のサウンドに合っている。
・歌い手の体力を要し、難易度が高い楽曲だなあ。
コンポ6番
・予想していた以上に上級で、ユニゾンが見事(鳴りが良い)
開場後、数名の団員がスーツ姿で衣装ケースを手に、汗を拭いながら早歩きで会場入りした姿を拝見し、同じサラリーマンの身として同情し、頑張れ!と心の中で呟いてしまった。
▼やや興奮ぎみなコメント一覧
・予想以上、期待以上に素晴らしい音楽!
・とにかく柔らかな声、共鳴し合う声、各メンバーが70〜80%の声量しか出さず、他パートの音を聴き集中し、そこに自分の声を確実に溶かしている。
・若者にありがちな硬質なサウンドではない。
・メンバー一人一人の協調性と耳の感度が非常に高い。
・当たり前であるが、【俺が俺が】【俺の声を聴け】【俺の声、いい声だろう】的な要素は微塵も感じない。
・そして、破綻がない和声、正確な音程維持、深い[U]母音など。
・知的、繊細、透明、荘厳なサウンドを放ち=音の純度が高い、ヨーロッパの教会で聴いているような感覚を抱く。
・北欧合唱団に特徴的な(FF以上)金属的でキーン!としたテノール、土管のようなズドーン!としたベースではなく、FF以上の大声量はないが、柔らかな音楽観に、うっとりとしてため息が出る。<何故、そのような柔らかサウンドが表現維持できるんだ!>
・終始耳が疲れない、耳に届く音色が心地良いのだ。
・英語が流暢のようで英語歌詞が[Native]のような発音で、しっかりと聴き取れる。
・ソリスト全員の歌唱テクニカルが高い(音楽大学出身であろうなあ)。
・上級レベルの男声合唱団が隣国の台湾で活躍していることを初めて知り、大変驚いた。
CD「Brilliant Journey」を購入した。
17曲入りで、別冊でボーナスCD(3曲)も付いて2,000円という安価。
Poulencの「アッシジ」、Brucknerの「Ave Maria」、Mendelssohnの「Beati Mortui」他、そして興味を示したのが、E. Elgarの「Five Unaccompanied Part-songs For TTBB Op.45 From The Greek Anthology」が収録されている。
聴きに伺って、本当に良かったと思える演奏会であった。
情報収集のアンテナ(最近少し錆び付いてきたが)を張っていて良かった。
残念ながら、観客が少なかったことが少し気になったが。
終演後、駅前のホルモン焼き屋に直行し、暫し演奏会の批評=もちろん高評価!、合唱談義に話が湧く。
演奏会の余韻とアルコールの酔いに浸り、心が満たされた宵の一時であった。
ポパイ:O氏とN君、メンネルA.E.C.のN氏、O氏、A氏、東北大学男声合唱団OB:K氏、東京大学コールアカデミーOB:W氏とご一緒する。
ロビーにて、松原混声合唱団のN氏[東京都合唱連盟副理事長/全日本合唱連盟常務理事]にお会いし、ご挨拶ができた。
●拉縴人男聲合唱團の紹介
▼木下牧子氏、聶焱庠氏、三好草平氏の交流
作曲家・木下牧子の日々 2007/11/13 会食
−1ステージ− 拉縴人男聲合唱團 指揮:聶焱庠
If Ye Love Me 曲:Thomas Tallis
Sicut Cervus 曲:G. P. da Palestrina
All that Hath Life & Breath Praise Ye the Lord 曲:René Clausen
・1曲目の入りの音を聴いた瞬間に、鳥肌が立った。
・柔らかい音色と破綻がない和声、ダイナミクスレンジ、アンサンブル、抑揚が実に巧い。
・彼らにとって得意なジャンルであろうと容易に想像できる。
−3ステージ− 拉縴人男聲合唱團 指揮:聶焱庠
男声合唱組曲「地平線のかなたへ」より
詩:谷川俊太郎 曲:木下牧子
サッカーによせて/二十億光年の孤独/ネロー 愛された小さな犬に
男声合唱組曲「新しい歌」より「きみ歌えよ」
詩:谷川俊太郎 曲:信長貴富
赤とんぼ
詩:三木露風 曲:山田耕筰 編:信長貴富
・木下作品、信長作品共に、爽やかに/若々しく/かっこ良く/表現している。
・日本語歌詞発音の違和感は、殆ど感じない。
・彼らの年齢層(20歳代)に合う曲調、和声、歌詞であることが相乗効果を得ている。
・会場には木下牧子氏がいらしていて、大きな拍手を寄せていた。
−4ステージ− 拉縴人男聲合唱團 指揮:聶焱庠
Dálvi duoddar luohti 曲:Seppo Paakkunainen
To ~ Music, When Soft Voices Die 曲:林明杰
Ave Maria 曲:林明杰
津軽じょんがら節 青森県民謡/曲:松下耕
Dálvi duoddar luohti(冬山のヨイク:ラップランド民謡)
・ヘルシンキ大学男声合唱団、なにわコラリアーズとは違ったサウンドであった。
・器楽的な和声や倍音唱法が響き、ホーミー歌唱?も十分に聴こえた。
Ave Maria
・現代的で軽快な曲調で、ノリが良い。
・松下耕氏のAve Regina Coelorumに良く似た楽曲だなあと感じた。
・個人的にはJazz調にした楽曲よりも、こちらを歌いたいかなあ。
津軽じょんがら節
・体に押し寄せてくる声量や迫力はないが、実に端正な演奏。
−6ステージ− 拉縴人男聲合唱團 指揮:聶焱庠
一隻鳥仔 A Crying Bird 嘉義民謠/編:曾興魁
等你到天明 Waiting for You until Dawn 新疆哈薩克民謠/編:瞿希賢
聖母頌 詩・曲:梁弘志/編:黃世雄
鳳陽花鼓 Fung Yang kuh lai 安徽民謠/編:馬文
・彼らならでは!のレパートリーで、魅力的な楽曲が続く。
・初めて聴いた曲ばかりであるが、どの曲も飽きずに聴け、心に届く曲ばかり。
等你到天明
・ウィグル族自治区に暮らすハザク族の民謡、美しい旋律が印象的。
[賛助出演団体]
Canto di Alauda[女声/埼玉県] 指揮:三好草平
舞の歌 沖縄民謡/曲:中村透
天烏烏 台湾民謡/編:蔡昱姍
花色カメレオン 詩:工藤直子 曲:松下耕
鳥 詩:川崎 洋/曲:松下耕
・確実にレベルアップしていて、和声の破綻が少なく、良くはもっている。
・声は以前と比較すると太く響くようになり、輪郭が明確になってきている。
・Altの響きを重視している演奏スタイルに好感が持てる。
・後半、Sopが疲れてきたかな?
・若い力は凄いなあ〜、若者の成長が、実に嬉しい。
・三好君、大変お疲れさまでした。そして、演奏会のご案内、ありがとう。
合唱団お江戸コラリアーず[男声/東京都] 指揮:山脇卓也
Hymn 曲:Jean Sibelius
「合唱のためのコンポジション第6番」より II 曲:間宮芳生
Choral Cepstram of Yidaki for male chorus 曲:池畑光浩
虹 詞・曲:森山直太朗/御徒町凧 編:信長貴富
・全体を通じて、健闘されていた演奏であったと素直に思う。
Hymn
・北欧曲を得意とする団のサウンドに合っている。
・歌い手の体力を要し、難易度が高い楽曲だなあ。
コンポ6番
・予想していた以上に上級で、ユニゾンが見事(鳴りが良い)
開場後、数名の団員がスーツ姿で衣装ケースを手に、汗を拭いながら早歩きで会場入りした姿を拝見し、同じサラリーマンの身として同情し、頑張れ!と心の中で呟いてしまった。
▼やや興奮ぎみなコメント一覧
・予想以上、期待以上に素晴らしい音楽!
・とにかく柔らかな声、共鳴し合う声、各メンバーが70〜80%の声量しか出さず、他パートの音を聴き集中し、そこに自分の声を確実に溶かしている。
・若者にありがちな硬質なサウンドではない。
・メンバー一人一人の協調性と耳の感度が非常に高い。
・当たり前であるが、【俺が俺が】【俺の声を聴け】【俺の声、いい声だろう】的な要素は微塵も感じない。
・そして、破綻がない和声、正確な音程維持、深い[U]母音など。
・知的、繊細、透明、荘厳なサウンドを放ち=音の純度が高い、ヨーロッパの教会で聴いているような感覚を抱く。
・北欧合唱団に特徴的な(FF以上)金属的でキーン!としたテノール、土管のようなズドーン!としたベースではなく、FF以上の大声量はないが、柔らかな音楽観に、うっとりとしてため息が出る。<何故、そのような柔らかサウンドが表現維持できるんだ!>
・終始耳が疲れない、耳に届く音色が心地良いのだ。
・英語が流暢のようで英語歌詞が[Native]のような発音で、しっかりと聴き取れる。
・ソリスト全員の歌唱テクニカルが高い(音楽大学出身であろうなあ)。
・上級レベルの男声合唱団が隣国の台湾で活躍していることを初めて知り、大変驚いた。
CD「Brilliant Journey」を購入した。
17曲入りで、別冊でボーナスCD(3曲)も付いて2,000円という安価。
Poulencの「アッシジ」、Brucknerの「Ave Maria」、Mendelssohnの「Beati Mortui」他、そして興味を示したのが、E. Elgarの「Five Unaccompanied Part-songs For TTBB Op.45 From The Greek Anthology」が収録されている。
聴きに伺って、本当に良かったと思える演奏会であった。
情報収集のアンテナ(最近少し錆び付いてきたが)を張っていて良かった。
残念ながら、観客が少なかったことが少し気になったが。
終演後、駅前のホルモン焼き屋に直行し、暫し演奏会の批評=もちろん高評価!、合唱談義に話が湧く。
演奏会の余韻とアルコールの酔いに浸り、心が満たされた宵の一時であった。
はじめまして。作曲家の木下牧子です。貴ブログの演奏会レポートは丁寧でわかりやすく素晴らしいですね。
私のブログでもこの演奏会のことを書くつもりでしたが、エネルギー不足のため、この演奏会の詳細としてリンクを張らせていただきました。事後承諾になってしまって申し訳ありません。もし転用がまずいようでしたらすぐ削除します。よろしくお願いいたします。
by 木下牧子 (2009-08-10 14:35)
木下様
初めまして。
合唱道楽歌い人と申します。
この度は、私の拙いブログをご紹介いただきまして、大変恐縮です。
ご丁寧に、ありがとうございました。
昨年9/26の作品展3「室内楽の夜」を拝聴させていただき、殊に「打楽器コンチェルト」には魅了されました。
また、私が所属する男声合唱プロジェクトYARO会において2005年演奏会:「夢みたものは」、2008年演奏会:「鴎」を歌う機会があり、現在では愛唱歌として楽しんでおります。特に「鴎」に関しては、指揮者の須田氏を通じて演奏許諾と男声版楽譜をいただき、ありがとうございました。
一介のアマチュア合唱人として、無理をせず面白い情報を発信していければと思っております。
くれぐれも体調にはご留意いただき、今後益々のご活躍をお祈りしております。
by malechoirpopeye (2009-08-10 21:38)