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アルプス交響曲〜Richard Strauss [Concert]

先月末のN響アワーは、R. Strauss(1864-1949) の『アルプス交響曲』[Eine Alpensinfonie]を放映。
オーケストレーションの天才と評され、絢爛豪快な重層的な音の表現に秀でた R. Strauss の楽曲中(数多く聴いてはいないが)、『アルプス交響曲』は凄まじい音と光を放っている。
[19]の表題通り、見事に音として情景が再現されている上、映像的な光と響きが特徴的だ。

総演奏時間が50分強で、木管群(コントラファゴット、ヘッケルフォーン含む)、金管群、打楽器、ハープ、オルガン、チェレスタなどを擁した大編成、他にウィンドマシーン(風音器)、サンダーマシーン(雷音器)、カウベル(牧羊擬音)等の特殊打楽器が用いられている。
冒頭の[夜]、それに続く[日の出]..... ワクワクする。
山の情景表現には、ホルンが大活躍だ。
 夜 太陽 岩壁 小川のせせらぎ 滝 山の牧場 氷河 雷鳴 
 頂上 霧 風 雷雨 嵐 稲妻 落雷 日没  
情景描写が巧み過ぎる。

吹奏楽コンクールにおいてこの曲は、【ズタズタ/カット編曲】で演奏されることが多い。
最大の演奏効果を狙い、いいとこ取りで、
 《 日の出〜頂上にて〜嵐の前の静けさ〜雷雨と嵐〜下山 》
といった具合で演奏されることが多い。
[夜]が明けたと思ったら、いきなり[頂上]へ登頂、[雷雨と嵐]に見舞われ、あっという間に[下山]とは、何とも忙しい音楽だ。
演奏の自由が許されているとは言え、これは作曲者の意図を無視しているなあと思う。
制限時間(課題曲と自由曲で12分間)がある関係で、長く演奏して最大8分30秒位であろう。

R. Straussの曲では他に『英雄の生涯』『ドン・ファン』『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』などが選曲され、『アルプス交響曲』同様に【ズタズタ/カット編曲】で、首を傾げる音楽観だ。
制限時間がある吹奏楽コンクールでは、【カット演奏】が日常茶飯事。
 <合唱の場合は、【カット演奏】という演奏スタイルは少ないと思われるが.....>
吹奏楽に入れ込んでいた頃の私は、そうした状況に何の疑問も迷いもなく、一喜一憂していた。
吹奏楽を通して、様々な管弦楽曲を知る[きっかけ]にもなった。
その頃と比べれば、現在少しは音楽の本質が解り始めている?(はず!)

 ▶演奏:Berliner Philharmoniker 指揮: Semyon Bychkov
  [ 頂上にて〜見えるもの ]
  曲中における最大の山場と思える。
 

 ▶演奏:Berliner Philharmoniker 指揮:Herbert Von Karajan
 [ 頂上にて ]
 

 ▶演奏:Staatskapelle Dresden 指揮:Rudolf Kempe
 [ 夜〜日の出〜登り道〜森への立ち入り ] 
  音楽に合わせた映像が見事!であると思う。
 
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