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埼玉県立川越高等学校音楽部創立50周年記念CD・記念誌 [CD&DVD]

8/28(日)Vive la Companie練習後に、イルカンのI氏(川越高校音楽部OB)から埼玉県立川越高等学校音楽部創立50周年記念CD(3枚組)・記念誌[平成12年12月20日発行]をお借りした。
 I氏:「きっと●●さんが気に入ると思いまして持って来ました。どうぞ。」
 私:「お?! ありがとうございます。嬉しいです!!」
価格は、記念CD5,000円、記念誌2,000円とのこと。

男声合唱に詳しい方であれば、川越高校音楽部の存在や活躍ぶりをご存知であろう。
高校男声合唱界では名門校で、NHKコンクール、朝日コンクール、合唱オリンピック等で優秀な成績を残している。
学業面では非常に偏差値が高い有名な進学校であり、埼玉県内の公立男子校としては浦和高校、川越高校、熊谷高校、春日部高校が4強である。
余談であるが、浦和高校、川越高校、熊谷高校は9/25(日)開催の関東合唱コンクールへ出場する。
埼玉県の高校合唱界は、男声合唱が凄いことになっているのだ。
 ▼埼玉県立川越高等学校音楽部HPはこちら

全国的に知名度を上げたのは、東京音楽学校(現・東京芸術大学)作曲科卒の経歴を持つ川越高校の音楽教諭で、音楽部の指揮者:牧野統(おさむ)氏。
1964年(昭和39年)第31回NHK全国学校音楽コンクール全国優勝、第32回(1965年)準優勝、1964年から1968年までに同NHKコンクール5年連続全国大会出場(当時は全国で10校のみ)の成績を残した名物教諭とのことだ。1972年(昭和47年)逝去。
牧野氏の合唱作品を歌い継いでいる合唱団(コーロ・ルリオ)が川越市内で活動している。
 ▼出版されている牧野統作品はこちら

NHK全国学校音楽コンクール全国優勝した男声合唱団は、川越高校と第57回(平成2年度)の大阪府立淀川工業高校(現在の淀川工科高校)の2校のみ。
第54回(昭和62年度)の全国コンクールでは、川越高校は銀賞受賞。
 課題曲:巨木のうた 詩:木島始 曲:林光
 自由曲:「月下の一群・第二集」?十月の薔薇 詩:堀口大学 曲:南弘明
課題曲「巨木のうた」は、下記にて鑑賞可である。
 ▼Nコン課題曲Juke Boxはこちら[第54回 昭和62年度]
 
この時の指揮者は、YARO会親分で川越高校音楽部OB(8回生)の小髙秀一氏
来月の関東大会一般Bでは、Vive la Compagnieを指揮される。
 ▼Vive la Compagnie HP

1964年NHKコンクールで全国優勝時の演奏は、下記にて鑑賞可である。
 ▼Nコン課題曲Juke Boxはこちら[第31回 昭和39年度]
 
 課題曲:曲がりかど 詩:竹内しげ 詩補佐:野田宇太郎 曲:石川皓也
 指揮:牧野統 ピアノ:小髙秀一
 ●小髙秀一先生がピアニスト!?

小髙先生の師匠は勿論牧野氏であり、転任で川越高校の指揮者に就任(昭和51年4月?昭和63年3月)、また1953年(昭和28年)に牧野氏が創設した川越牧声会を1985年(昭和60年)に引継ぎ、全日本合唱コンクール全国大会等へ数多く導いた実績を残されている。
記念誌の掲載された新聞記事が、非常に印象的であったのでご紹介したい。

[埼玉新聞 1999年(平成11年)12月11日(土)掲載記事]
 1964年(昭和39年)7月。
 大宮商工会館で行われたNHK全国学校音楽コンクール県予選。
 故・牧野統先生の指揮、小髙秀一先生のピアノ伴奏で課題曲「曲がりかど」のコーラスが始まった。
 間もなく部員をドキリとさせる出来事が待っていた。
 伴奏の途中に楽譜がヒラリと飛んで、一瞬途絶えてしまった。
 このため部員も先生も一時、この大会はあきらめかけていた。
 最後の成績発表。
 「1位の合唱です」とのアナウンスの後に流れてきたのは.....
 この予選唯一の「男声コーラス」だった。
 全員が跳び上がって喜んだという。
 小髙先生は「夏で冷房の風だったと思う。手の上に落ちてきた。ドキッとして.....。 
 一時、伴奏を止めてしまった。それでも牧野先生は止めなかった。
 (全国一になったし)今でも忘れられない」と振り返る。
 この年の部員の90人の大所帯となっていた。
 コンクールには2、3年生から選抜した35人が出場した。
 関東甲信越大会は8/23。
 もっとも各県予選を通過した9校のラジオ放送による「録音審査」。
 前年に全国優勝した横須賀高を抑えて県勢初の全国大会の出場権を得た。
 このため期待も高まった。
 こうして迎えた全国大会は9/13。
 やはり全国10地区から選ばれた代表校の合唱がラジオで流された。 
 正午のNHKニュース。大会結果が伝えられた。
 「第1位は関東.....」。
 この瞬間、視聴覚室に集まり、ラジオに聴き入ったいた部員から歓声が上がった。
 部長の胴上げをしたり、中には感激の涙を流す部員の姿も。
 この朗報はあっという間に広がった。
 ●●●●さん(53)。昭和37年入学、同40年の卒業。
 「その日、牧野先生が部員全員(約90名)にすしを注文してくれた。
  全国大会で入賞したらと約束していた。
  『うれしい散財となった』と喜んでいた。
  早弁して昼休みにクスノキの下で(パート練習)歌ったり、今では考えられないが、電車の中で歌ったり、楽しい時代だった」
 同期の▲▲▲▲さん(52)。
 「歌が好きで、子どもの時に牧野先生が作曲したNHKの小学校課題曲『若いおじさん』を聞いていた。指導者に恵まれた。
  練習もした。
  メンバーも曲も良かった。
  先生には『コーラスには声自慢はいらない。自分の声が聞こえている間は本当のハーモニーではない』と教えられた。
  コーラスを通じて人生の生き方も教えられた」

【記念誌の掲載事項】
歴代指揮者からの挨拶、歴代指揮者の夫人からの寄稿、音楽部OBで作曲家の荻久保和明氏等各代OBからのメッセージ、定期演奏会プログラム、歴代顧問・歴代部長一覧、朝日コンクール・NHKコンクールの記録、音楽部の沿革、音楽部に関する新聞記事、関係楽譜(校歌/応援歌/川高音楽部の歌/音楽部讃歌)
なお、ポパイ指揮者の大岩篤郎氏も祝辞を寄せている(表題「川高音楽部よ”永遠に”」)

【CD1】
 26曲収録
 収録年[昭和30年−昭和51年]
 収録ステージ[定期演奏会・Nコン県大会・Nコン関東甲信越大会・Nコン全国大会]
【CD2】
 19曲収録
 収録年[昭和52年−平成3年]
 収録ステージ[定期演奏会・朝日コン県大会・朝日コン関東大会・朝日コン全国大会・Nコン県大会・Nコン全国大会]
【CD3】
 19曲収録
 収録年[平成4年?平成12年]
 収録ステージ[定期演奏会・朝日コン関東大会・朝日コン全国大会]
 ●校歌・応援歌「奮え友よ」(曲:牧野統)・音楽部讃歌「光よ音の流れよ」
 (詩・曲:牧野統)を収録

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セリーナ

通りすがりで失礼します。
いつも楽しく拝見しています。

ひとつ気になった点がありまして、Nコンの男声優勝校についてなのですが、昭和36年度の山形東高校も男声だったと記憶しています。
自由曲は「大屋根」で、顧問は後の山形西高校の阿部昌司先生だったと思います。記憶違いでしたらすみません。

これからも更新楽しみにしています。
by セリーナ (2011-09-23 16:23) 

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