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混声合唱のための「方丈記」〜Ⅲ. 夜もすがら [千原英喜氏]

ここ数日、繰り返し鑑賞している曲が、混声合唱のための「方丈記」〜Ⅲ. 夜もすがら(詩:鴨長明 曲:千原英喜)である。

 夜もすがら一人み山の真木の葉にくもるもすめる有明の月
 (新古今和歌集・雑上・1523)

「方丈記」は、鴨長明によって書かれた日本三大随筆として有名な作品。
下記解説は、鴨長明 千人万首から転載させていただく。
【通釈】
  一晩中、独り起きていて、奥山の針葉樹の葉に遮られた月を眺めていた。
  いま暁になり、曇りも払われて、澄んで見える、有明の月が空にかかっている。
【語釈】
 ●独りみ山:「み山」は深山。「(独り)見」を掛ける。
 「独り」には孤独な庵住まいを暗示している。
 (但し、この歌を作った当時、長明はまだ出家はしていない)
 ●まきの葉:まき(槙・真木)は杉・檜などの針葉樹。
 ●くもるもすめる:難解。「まきの葉に遮られて曇っていたのが、暁には梢を離れ、
  澄んで見えるようになった」とも「涙で曇りながらも、心眼には澄んで見える」の
  意にも取れる。おそらく両意を含ませたのであろう。
 ●有明の月:明け方まで空に残る月。信仰による救済を暗示。
【補記】建仁元年(1201年)八月十五日の撰歌合。

▼演奏:大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団 
 指揮:当間修一
 収録年月日:2010.9.23「第16回邦人合唱曲シリーズ」(京都府立府民ホール アルティ)
 演奏はこちら
▼大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団第17回東京定期公演はこちら
 日時:6月3日(日) 開場14:00/開演14:30
 会場:第一生命ホール
 曲目:混声合唱のための「方丈記」他

[2016.4.7追記]
【動画版】はこちら
 演奏:大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団 
 指揮:当間修一
 収録年月日:2013.9.22「第19回邦人合唱曲シリーズ」(京都府立府民ホール アルティ)

詩と曲調が放つ【もの悲しい美しさと想い】に魅了され、繰り返して鑑賞している。
千原作品の中でも、【儚く悲しくも、温もりある美しさ】が突出して表現されていると思う。
日本人であれば多くの方が共感できる、言わば演歌、艶歌の調べが流れている。
ポパイオリーブ(混声)で歌いたいなあ..... と妄想を抱くも、優秀なオリーブはポパイを袖にするであろうなあと、勝手な憶測を抱いてしまった。
 ●第23回SVEC[一般の部]審査結果

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鶴巻徹

参加している合唱団で練習中の曲「夜もすがら」は、ゆったりと流れる日本語のことばの美しさに溢れたひとのこころに響く良い曲だと、思います。[りんご]
by 鶴巻徹 (2014-09-04 16:50) 

malechoirpopeye

鶴巻様
嬉しいコメントを頂戴し、ありがとうございます!
仰る通りであると私も思います!
しかし、人の感じ方や好みは様々で、この曲に対して、
「芸術性は高くない、後世に残らない作品である。」
とネット上で発言された方もいらっしゃいました。
何事にも、必ず反対意見はありますから.....

同じ時代に生き、千原英喜氏という作曲家とこの曲に出逢い、この曲を良いと感じたならば、素直に自分の感性を受け入れることが大事だと思っております。
今後共、よろしくお願いいたします。
by malechoirpopeye (2014-09-04 19:54) 

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