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CD新譜:全日本合唱コンクール全国大会の軌跡 III/安積黎明高等学校合唱団(2001−2011) [CD&DVD]

7月末、全日本合唱コンクール全国大会の軌跡 III/安積黎明高等学校合唱団(2001−2011)を購入した。
 ▼CD紹介コーナーはこちら(曲目一覧あり)

[全日本合唱コンクール全国大会の軌跡]福島県立安積女子高等学校合唱団 (1980-1989)・(1990-2000)は愛聴盤で、特に「女に」(詩:谷川俊太郎 曲:鈴木輝昭)シリーズが収録された(Ⅱ・Disk4)を最も聴き込んでいる。

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●Disc1:2001年−2006年の演奏
●Disc2:2007年−2011年の演奏
指揮:星英一(Disc1[1]−[12]/Disc2[1]−[6])
   宍戸真市(Disc2[7]−[10])
ピアノ:鈴木あずさ[全曲]
演奏:安積黎明高等学校合唱団
【自由曲】 
−Disc1−
 1)第54回大会【金賞・愛知県教育委員会賞】109名
  「リルの子どもたち」~古代ケルト神話による~より
   軽やかに うれしそうに
 2)第55回大会【金賞・文部科学大臣奨励賞】96名
  女声合唱とピアノのための組曲「女に第1集」より
   谺―日々 詩:谷川俊太郎
 3)第56回大会【金賞・文部科学大臣奨励賞】84名
  女声合唱とピアノのための組曲「火へのオード」より
   終の日のわたしを焼く 詩:新川和江
 4)第57回大会【金賞・文部科学大臣奨励賞】80名
  女声合唱とピアノのための組曲「火へのオード」より
   火の王よ あなたの国の… 詩:新川和江
 5)第58回大会【金賞・広島県知事賞】82名
  女声合唱とピアノのための組曲「火へのオード」より
   水がわたしを呼んだとき 詩:新川和江
 6)第59回大会【金賞・埼玉県教育委員会教育長賞】75名
  女声合唱とピアノのための肖像 詩:大岡信
−Disc2−
 7)第60回大会【金賞・岩手県教育委員会教育長賞】70名
  女声合唱とピアノのための組曲「譚詩頌五花」より
   運命 詩:宗左近
 8)第61回大会【金賞】57名
  女声合唱とピアノのための組曲「詩篇」より
   産室の夜明 詩:与謝野晶子
 9)第62回大会【金賞・文部科学大臣奨励賞】54名
  女声合唱とピアノのための組曲「妖精の距離」より
   妖精の距離 詩:瀧口修造
10)第63回大会【金賞・兵庫県知事賞】55名
  女声合唱とピアノのための組曲「妖精の距離」より
   反応―風の受胎 詩:瀧口修造
11)第64回大会【金賞・文部科学大臣奨励賞】46名
  女声合唱とピアノのための組曲「妖精の距離」より
   夜曲―木魂の薔薇 詩:瀧口修造

自由曲全11曲及び第58回大会の課題曲「わたしの海」が鈴木輝昭先生による作品である。
ピアノは全曲鈴木あずさ氏、鈴木先生の奥様だ。
難易度が高く緊張感ある難曲を、透明感溢れる統一された発声と訓練された和声(揺るぎない和声)、複雑な歌唱法(ヴォカリーゼ、独自の手法「ひぐらしのモチーフ」等)、緻密に計算された緩急、強弱、パートバランス等できっちりと歌いこなしている感を強く感じた。
私が最も印象的に感じた楽曲は、「運命」と「妖精の距離」である。 
 ●瀧口修造〜妖精の距離〜鈴木輝昭

前身の安積女子高校が鈴木作品を初めて選曲したのは、平成6年(1994年)第47回大会。
二群の女声合唱とピアノのための「森へ」から 2nd Scene(詩:地球歳時記'90)であった。
それ以前は長年三善晃作品を選曲していたが、以来今日まで全て鈴木作品を選曲している。
20年に渡り、四者(作曲家・指揮者・伴奏者・演奏者)の良好な信頼関係が継続していることは大変稀有なことであろう。

課題曲の演奏も、素晴らしい。
日本語歌詞の楽曲が大変心地良く、日本語の発声が柔らかい上、自然すぎて美しい。
 風(萩原英彦)/静かな雨の夜に(松下耕)/あげます(三善晃)
 コスモスをあげよう(中田喜直)/わたしの海(鈴木輝昭)
 緑の中へ(高嶋みどり)/悲しみは(三善晃)
 機織る星(髙田三郎)/五月のうた(寺嶋陸也)
 けれども大地は…(土田豊貴)
お気に入りは、静かな雨の夜に/わたしの海/悲しみは/機織る星。

初めて安積黎明高校の生演奏を聴かせていただいたのは、平成18年(2006年)第59回大会(大宮ソニックシティ大ホール)で、透明度の高い歌声と和声に衝撃を受けて、感動極まった思い出がある。
その後は、先月8/16(土)に開催された第2回安積黎明高校合唱団&安積フィメールコール東京ジョイントコンサートにて聴かせていただいた。
 ●安積黎明高校合唱団&安積フィメールコール東京ジョイントコンサートチケット購入

日本の高校合唱界において著名な福島県立安積女子高校合唱団と(共学化による学校名変更後)安積黎明高校合唱団。
実力、実績、知名度は尋常ではなく、指揮者が変わられても全日本合唱コンクール全国大会にて《34年連続金賞受賞》、前人未到の偉大な記録を更新中である。
 ▼福島県立安積黎明高等学校合唱団の受賞歴はこちら
[指揮者一覧]
 ●渡部康夫氏:昭和○○年−昭和61年[○○年間]
 ●菅野正美氏:昭和62年−平成10年[12年間]
 ●星 英一氏:平成11年−平成21年[11年間]
 ●宍戸真市氏:平成22年−現在

常に100名強の団員を擁していたが、残念ながら、ここ数年は部員数が50名強で【部員数の減少】が些か気になる。
郡山市内又は市外の中学校を卒業した女声は、混声合唱団がある他の共学校に進学しているのであろうか。
高校合唱界が全国的に混声合唱団へ再編されている潮流を見ると.....
いずれの時期には安積黎明高校が[混声合唱団でコンクールに出場]することになるやもしれないか......?

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コメント 2

柴田 徹

 黎明高校の部員数の減少は「残念なこと」なのでしょうか?
むしろ、競争相手が増えることによって、数に頼らない「実力を持った」
合唱団になるのではと考えます。
 高校合唱団が混声合唱団になっても、女声合唱や男性合唱はできると思います。
できないのは、「指導者の無能」この言葉に尽きると考えます。
 安積黎明高校が混声合唱団を結成すれば、女声合唱団とともに「ダブル金賞受賞」になるかもしれません。
そうしたら、自称「合唱王国」の埼玉県の高校の合唱部は「永遠に銀賞止まり」になってしまうかもしれませんね。(笑)

by 柴田 徹 (2014-10-01 23:08) 

malechoirpopeye

柴田様
コメントを頂戴しまして、ありがとうございます。
仰る通り、指揮者の指導力は大きいですよね。
そして演奏者の力、なおかつ両者の信頼関係も重要だと思います。
混声となった宮崎学園高校、不来方高校、会津高校等の成功例があり、安積黎明高校も成功する可能性が高いですよね!
安積黎明高ファンとしては、今後の展開に期待したいと思います。
by malechoirpopeye (2014-10-02 19:10) 

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