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第60回全日本合唱コンクール071111 [全日本合唱コンクール]

11/11(日)、東京文化会館大ホールで開催された第60回全日本合唱コンクール(大学・職場・一般部門)第2日目を聴きに行った。
第2日目は職場・一般Bであったが、一般Bから聴いた。
観客がとても暖かく、入場から拍手をして出演者を歓迎していた。
実にいいなあ、この雰囲気とマナーが。

印象に残った主な団体
 ●鶴岡土曜会混声合唱団(混声43名) 銅賞 指揮:柿崎泰裕
 事前情報がなかったこともありあまり期待せず(失礼!)、課題曲「Valde」の冒頭、テノールの声が二分したので「あ〜、残念!」と思って聴いたが、音色の柔らかさと豊かな響きに段々と引き込まれていった。
 私が好きな音色である。
 ソプラノの発声が少し不安定で惜しかったが、男声、特にベースが常時穏やかに低音が響いていて、ベース特有の重厚という声ではなく、明るく柔らかく音の方向性が上向き、でも低音が響くという声。
 う〜ん、うまく表現できないのがもどかしい。
 テノールに凄い歌い手がいて、最後までばてずに立派に歌い上げていた。
 
 ●徳島男声合唱団「響」(男声40名) 銅賞 指揮:白神直之
 課題曲、自由曲共に間宮作品で、選曲の統一感がある。
 課題曲「田植歌」は、大学と一般Bで他団体が取り上げたが、一番土着的雰囲気が出ていて、曲が持つ特性を感じることができた。
 自由曲「Kanjo(勧請)」は初めて聴く曲で、曲のテーマや歌詞がよく分からなかったが、迫力ある曲。
 総じて、男声合唱の力強さ、曲が持つメッセージ性を前面に出そうという意図が働いたと思われるが、発声が粗い感があり、子音も擦りすぎかなあと感じた。
 でも、素直に合唱を楽しみ、観客に「演奏者の気」を伝える演奏姿勢が羨ましかった。

 ●なにわコラリアーズ(男声72名) 金賞(第1位:文部科学大臣賞) 指揮:伊東恵司
  CDでは幾度も聴いているが、生演奏は初めて聴いた次第。
 課題曲「虹」は、予想した以上にさっぱりあっさりした演奏で、その分余計に爽快感が前面に出ていた。
 この曲は、あまりいじらない方が好感度大だなあと改めて感じた。
 ハーモニー、曲の解釈、発声、パートバランス等申し分ない。
 70名強の大規模男声であるが、声がよくコントロールされていて驚く。
 大学、一般A・B(なにコラ以降は聴けず)を通じて、一番課題曲を丁寧、確実、しっかりとまとめている感を覚えた。
 女声と混声の課題曲が続いていた中で、男声は創価学会しなの合唱団、徳島男声合唱団「響」となにコラの3団体しか出演していなかったため、男声は非常に新鮮に映る。
 自由曲は「Raua needmine (Curse upon Iron/鉄への呪い) 」
 メッセージ性の強いトルミス作品。
 初めて聴く曲であるが、《自然界から生まれた鉄が、やがて人間の手によって人間自身の命を脅かすようになる様を描いた「現代文明への警鐘」》とプロフィールで紹介されていた。
 振付け、フォーメーション移動、シャーマンドラム入りなど合唱以外のパフォーマンスも実に効果的。
 演奏者が役者に徹しているように感じた。
 素晴らしい、綺麗、好感が持てるといった表現を超えて、<圧倒的な凄い演奏!>
 恐らくコンクール史上に残る名演。
 出演者がはけるまで、拍手が鳴り止まなかった。
 審査員9名中、4名が1位評価らしい。
 会場内即売所で、CD-Rを郵送発注済(まだ手元には届かず)

ポパイ練習があったため、なにわコラリアーズを聴いて会場を後にした。
その後は、グリーン・ウッド・ハーモニー(金賞)、宮城三女高OG合唱団(金賞)、ヴォーカルアンサンブル《EST》(金賞:第2位)、合唱団ノース・エコー(銀賞)、岡崎混声合唱団(銀賞)とのこと。
金賞3団体、銀賞2団体だったか。
無理して聴いていけば良かったかなあ。
いや、気持ちが持たなかった。

一般A、一般B共に演奏レベルがとにかく凄まじい。
全国大会出場の団体は、発声や音色の違い、選曲等により当然好みは分かれるが、いずれの団体もハーモニーは安定、アンサンブル能力は高いなどテクニカル面ではそれほど大差はない。
評価の差は、合唱団の特性と選曲が合致しているか、どれだけ曲を歌い込んで消化し曲を通じて何を訴えたいか、何を表現したいか、同時に観客に何を伝えたいかをしっかりと見極めることに尽きるなあと思った。
でも括弧たる審査基準はなく、曖昧のままかもしれないが...

私にとって、今年のコンクールは何であったであろう。
果たして何か成長できたか、今後合唱活動を続けるにあたり、コンクールとどう向き合うか。
色々と考えさせられた半年間であった。

<受賞結果> 全日本合唱連盟HP
 http://www.jcanet.or.jp/jca/concour/con60-ippan-kekka01.htm


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naopypy

malechoirpopeye様・・・
徳島男声「響」で指揮をしておりましたnaopypyです。
(実名が出ておりますが。。。)

このたびは私たちのような“田舎の男声合唱団”の演奏にも
耳を傾けてくださり、このようなうれしいコメントまでのせて
いただいて、本当にうれしく思います。

本番までは、演奏が本当にボヤ~ッとしていたので
「子音をキツくだして、もっとメリハリを!」と指示したのですが
なんだかやりすぎた結果になりましたね(笑)。
おっしゃるとおり「発声の粗さ」は基本的に未熟な点です。
それでもまあ今回はウチらしい演奏ができたので、
指揮者としては満足しています。

これからも徳島を拠点にしてがんばってまいりたいと思います。
またご指導いただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。
このたびは本当にありがとうございました♪
by naopypy (2007-11-16 21:05) 

malechoirpopeye

naopypyさん

コメントいただきまして恐縮です。
あまりにも率直に表現してしまい、申し訳ありませんでした。
全国大会のステージで歌った事もない人間が、あれこれ批評するのもおかしなことですね。
支部大会を勝ち抜いて全国出場、そして全国の舞台で披露。
なかなか出来る事ではありません。
1度でいいから、全国のステージに立ってみたいと、まだ懲りずに思っております。
こちらこそ、色々と情報提供いただければと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
by malechoirpopeye (2007-11-16 22:04) 

タカユキ

2日目は自分も一般Bだけ聴きまして、練習があったので結果は聞かずに帰りましたが、とりあえず岡崎混声まで全部聴けました。
ホントにレベルが高いなーと圧倒されましたね。相対的な賞の枠というものが存在せずに、ホントに演奏レベルだけで賞が与えられるのだとしたら、10団体くらいは金賞でもいいのではないか…なんて思えるくらいどこも良かったと思います。
個人的には「響」さんもとても好きというか、あんなに迫力のある演奏が出来たらどんなに気持ちいいだろうな~なんて、20人前後の男声合唱団としては思うのでありました。

今日の練習で男フェスの練習は終わりまして、あとは本番のリハが最後の合わせになります。
状況は厳しいですが、公募合唱団の練習もとても熱く楽しかったので、自団も公募合唱団もいい演奏が出来るように、あと5日自主練で頑張ります!
by タカユキ (2007-11-19 00:50) 

malechoirpopeye

コンクールに疲れたと言いながら、時が経つとまた出場したくなるんですよね、これが。
上手くなりたい、評価されたいという気持ちが湧いてくるのが不思議です。
全国大会は、本当に勉強になりました。
私も精進いたします。
男フェス、頑張りましょうね!
残念ながら、恐らくフリーダムさんの演奏は、音空の集合時間やリハーサルで聴く事ができないかもしれません。
by malechoirpopeye (2007-11-19 21:42) 

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