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Orphei Drängar 日本公演[10/9:東京オペラシティ] [Orphei Drängar]

10/9(土)、待望!のOrphei Drängar演奏会を鑑賞した。
会場は東京オペラシティコンサートホール、座席は1階席15列21番。  
総勢20名弱の合唱の友人と共に鑑賞した。
Orphei Drängarは2005年10月以来の来日で、5年振り3回目の日本公演である。

 指揮:セシリア・リュディンゲー・アーリン氏[Cecilia Rydinger Alin]
 ピアノ:フォルケ・アーリン氏[Folke Alin](指揮者の夫)
 ソプラノ:エリン・ロンボ氏[Elin Rombo]
 出演者数:80名
 演奏曲目
 −第1部−
  ベルマン:OD賛歌/Belman:Hör i Orphei drängar
  アルヴェーン:夕べ/Alfvén:Aftonen
  ボッシ:イル・ブリヴィド(身震い)/Bossi:Il Brivido
  シューベルト:ゴンドラを漕ぐ人/Schubert:Der Gondelfahrer
  チルコット:ニュートンのアメ-ジンググレイス/Chilcott:Newton's amazing grace
  トルミス:幼き頃の思い出/Tormis:Helletused
  ヒルボルイ:子守歌/Hillborg:A cradle song 
 
  ベリエル:「マリットの歌」から「山羊よ、坊やのところまで」「私が好きなら 」
  Peterson-Berger:(from Marits visor)I. Kom bukken til gutten 
                     III. Holder du af mig
  イェレミアーシュ:オストラヴァ/Jeremias:Ostrava

 −第2部−
 CAPRICE!(お楽しみコーナー)
  1)Ede, Bide, Ludendorff:A. MELLNAS (メルネス)
    → joshuaさんから情報提供いただく。
    男声合唱と打楽器(台所用品+ボディパーカッション付)のためのトルミス風?
    パロディ的現代曲? −食べて! 飲んで! 楽しんで!(?)−
   ●団員の山田真樹氏(First Tenor)が、日本語の語りSoloを少しだけ担当された。
  2)ウィテカー:黄金の光/Whitacre:Lux Aurumque
 
  3)間宮芳生:合唱のためのコンポジション第6番〜第2曲
 プーランク:アッシジの聖フランチェスコの4つの小さな祈り/
  Poulenc:Quatre petites prières de François d'Assise
 サンドストレム:カオヤイの歌う猿たち/Sandstrom:The singing apes of Khao Yai
  
 ラフマニノフ:ヴォカリーズ/Rachmaninoff:Vocalise
 ベッリーニ:オペラ「清教徒」から「エルヴィラのマリア」
  Bellini:Elvira's Aria(from I Puritani)
 ロッシーニ:オペラ「オリー伯爵」から「飲もう!早いとこ飲もう」/ 
  Rossini:Buvons!(from Le comte Ory)
 −アンコール−
 Vilhelm Svedbom:Hej, dunkom sa lange vi lefvom
 滝廉太郎:荒城の月 

▶良かった点
 ・芳醇で柔らかい音色かつ研ぎ澄まされた知的な音色、重厚感あるベース系、ファルセ
  ットと実声を上手に使い分けるテナー系、パートバランス、パート内の音色の統一感、
  声量、正確な音程等は健在だ。
 ・前回演奏会と同様、ピアノを使った音取りに安心感と親しみを感じた。
 ・OD史上初の女性指揮者であるセシリア・リュディンゲー・アーリン氏の指揮振りは、
  明確な打点(小気味好い!)と指示、硬軟や強弱の使い分けが優秀だ。
  きびきびした動作かつ[微笑ましい笑顔]が大変印象的。
 ・司会者やソリストを凝視する団員の[優しい視線]も印象的だ。
 ・ソプラノのエリン・ロンボ氏は、Elvira's Aria(ベッリーニ)で本領発揮。
  アンコール「荒城の月」では、シンプルで癖がない歌い方が素晴らしい。
  日本人歌手よりも歌い回しが上手だなあと感じた。
 ・外声パートを中央に寄せて、内声パートが外声を挟む並び方[sec−top−bass−bari]
  アンサンブル上でどんな効果があるのであろう。
  是非一度経験してみたい。
 ・選曲の幅の広さ(作曲年代、原語、作風等)に感嘆した。
  チェコ語の曲(オストラヴァ)を初めて鑑賞した。
 ・新しいレパートリーの開拓が意識された選曲構成のように感じた。
  新しいOD誕生といった所かもしれない。
 ・CAPRICE!にて、Whitacreの「Lux Aurumque」が歌われた。
  いずれ歌いたい楽曲であったこともあり、大変感激した。
  エコー効果を考慮し、演奏者全員が客席に降りて観客を包み込むような形態で歌う。
  First Tenorの最弱音ファルセットが、実に美しい!
  照明を落としてもらったら、演奏効果がもっと上がったであろう。
  前回演奏会における「Shenandoah」(編:James Erb)と同じ位置づけ的な演出
  であった。
  ●Orphei Drängar sings Lux Aurumque

▶気になった点・残念だった点(生意気にも、あくまでも個人的に)
 ・Bieblの「Ave Maria」が急遽プログラムから外れたことが、最も残念!
  あの曲を生演奏で聴きたかった.....(現在トンペイ・メモリアルズ10で練習中)
  10/1付けで梶本音楽事務所HPに曲目変更について公表されていたとは.....
  チルコットとイェレミアーシュの曲に変更になったとのこと。
 ・体調万全でなく咳を我慢したり、鼻を噛み過ぎて耳に膜が貼った感覚も少しあり、
  演奏に完全に集中することができなかった。
  今年一番期待していた演奏会だというのに.....

 ・全体的に[土臭さ/土着性]が消滅して、更に洗練されて綺麗な演奏に進化してい
  るように感じた。もう少し[土臭さ]を感じたかった。
 ・選曲の要因もあるが、北欧的な透明感あるサウンドがあまり感じられなかった。
 ・前回演奏会で選曲した「ムオアイヨウム」(曲:ヒルボルイ)のような、強烈な印
  象が残る楽曲がなかった。
 ・自分が知っている曲全般に関してテンポ設定がやや早め、間が少し足りない等、全
  体にせっかちな印象を受けた。
  プーランクのアッシジは「えっ!? 速すぎないか?」と素直に感じた。
 ・指揮の打点がはっきりして歌いやすいと思ったが、リズムを刻む【縦の音楽】が前
  面に出ていて、流れる【横の音楽】が少し不足していたかなあと感じた。
 ・指揮と演奏が合わない(指揮が早い)箇所が、いくつか見受けられた。
  しかしながら、縦線がずれないのは、卓越したアンサンブル能力だ!
 ・CAPRICE!は、予想していたより[笑い]が少ない演出だったなあと感じた。
 ・アンコールは、もう1曲だけ威勢が良い曲を聴きたかったなあ。
  「Saltarelle」が、体力勝負かつ7分超のため、アンコールには不適だろうなあ。
  「Och jungfrun hon går i ringen」が最適だったかもしれない。
  私の勝手な妄想である.....
 
  OD_panf3.jpg
今回の日本公演スケジュールは、下記の通り。
 10/ 9(土):東京公演(東京オペラシティーコンサートホール)
 10/10(日):大阪公演(ザ・シンフォニーホール)
 10/11(月):北九州公演(北九州市立響ホール)
 10/12(火):松本市公演(松本文化会館大ホール)
 10/13(水):東京公演(昭和女子大学人見記念講堂)

日本公演後のスケジュールは、下記の通り。
連日公演の強行スケジュール(10/9−10/14の連続6日間公演含む)である。
 10/14(木):北京公演(パフォーミングアーツ国立センター)
 10/17(日):上海公演(タイムズ・スクエアー)
 10/18(月):上海公演(EXPO2010)
 10/21(木):シンガポール公演(エスプラナデ)
▶Orphei DrängarのHPはこちら

終演後、トンペイ:S水氏がロビーでスウェーデン大使と談笑していた。
スウェーデン大使と交流があるとは驚きだ。
演奏会終了後は初台駅前の居酒屋で、総勢23名による懇親会。
OD名誉会員である菅野氏から、当日のリハーサルの様子を伺うことができた。
リハーサルを見学できたのは、梶本音楽事務所(主催者)、NHK(BS放映予定)、菅野氏だけだったとのこと。
今年一番期待していた演奏会が、あっと言う間に終了してしまった..... 
一抹の寂しさが残る.....
次回第4回目の来日公演は、何年後であろうか。
待ち遠しい!
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コメント 4

joshua

詳しいレポートありがとうございます。
今回は期待が大きかった分、辛口になりますが、私の印象も「ODトーン」と「指揮者」があります。
TOPの音色が定まらず前回のような「完璧なODトーン」という強烈なインパクトを受けませんでした(特に前半)。
また指揮は、ダイナミックで女性ですが「男前だな~」と感心してましたが、終始同じような大振りで、アップテンポな曲では、私には逆に打点がブレ気味に感じられました。
また今回大変期待していたカオヤイは、飛び出しはあるし、音程的にも首を傾げる箇所があり、ちょっとガッカリ。
といっても大変上手い合唱団には変りありません。どうしてもODには完璧さを求めてしまうので、戯言としてご放免ください。
CAPRICE!の1曲目は、MELLNAS, A. のEde, Bide, Ludendorffだそうです。

終演後お見かけしました。メンバーを引き連れ時々後ろを振り返り、人数を数えてらっしゃいましたね(w。私も友人達とすぐ後ろを歩いてました。
by joshua (2010-10-15 12:35) 

malechoirpopeye

joshua様
お恥ずかしい限りです(笑)
今度見かけた際は、ご遠慮なく声がけしてくださいね。

そうなんですよね、どうしてもODには完璧さを求めてしまうんです。
人間ですから、集中力や体力などその時の環境や体調に影響しますよね。
今回も素晴らしい演奏を堪能することができました。
ODに感謝です! 益々合唱が好きになりました。
by malechoirpopeye (2010-10-16 16:51) 

joshua

KPRISってご存知でしたでしょうか?
ウプサラ近郊の学生男声合唱団の団体で1995年以来毎年5月に演奏会を開催。単独と合同演奏で要は「六連」みたいな感じ。Robert Sundも何度か指揮してます。KAPRISのwebはこちら↓
2007,2010年はmp3の音源がUPされてます。
http://www.astro.uu.se/~ns/kapris/kaprisarkiv-frame.html

2010年の映像はこちら↓
http://www.youtube.com/results?search_query=Kapris2010&aq=f
技術的には未開ですが、瑞典学生の若々しい歌声です。
by joshua (2010-10-17 10:00) 

malechoirpopeye

joshua様
お〜、ワクワクする情報です!
KPRISは知りませんでした。
まだ全部を鑑賞していませんが、「Saltarelle」(不安定な演奏ですね)を歌っている際、最前列に指揮者:Robert Sundが座っている光景が実に印象的です。
歌い手は、とても歌いずらいでしょうね(笑)
いつもいつも、本当にありがとうございます。

by malechoirpopeye (2010-10-18 20:26) 

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