SSブログ

宮城県仙台三桜高校音楽部の新しい指導者 [全日本合唱コンクール]

宮城県仙台三桜高校[以前は第三女子高校]音楽部は、新しい指導者を迎えたようだ。
長年指導された桑折金三氏から、内藤淳一氏に引き継がれたとのこと。
内藤淳一氏..... 聞き覚えがある氏名である。
そうだ! 吹奏楽界で知られている作曲家:内藤淳一氏であろうか。

早速、調べてみた。
やはり、作曲家:内藤淳一氏であった。
現在は宮城県合唱連盟副理事長で、仙台三桜高校の音楽教諭とのことだ。
 [>]宮城県合唱連盟役員・事務局員一覧(2010年4月現在)はこちら

吹奏楽界においては、全日本吹奏楽コンクール課題曲を5曲(朝日作曲賞3回受賞)作曲された有名な方。
 ●吹奏楽のためのインヴェンション第1番
   1983年度全日本吹奏楽コンクール課題曲A
 ●マーチ「夢と勇気、憧れ、希望」
   1997年度全日本吹奏楽コンクール課題曲II
 ●マーチ・グリーン・フォレスト
   1999年度全日本吹奏楽コンクール課題曲I/1998年度朝日作曲賞受賞作品
 ●式典のための行進曲「栄光をたたえて」
   2001年度全日本吹奏楽コンクール課題曲I/2000年度朝日作曲賞受賞作品
 ●ブライアンの休日
   2008年度全日本吹奏楽コンクール課題曲I/2007年度朝日作曲賞受賞作品

器楽を中心に作曲されているが、合唱指導に携わるのは初めてであろうか。
指導者が替わると、それまで培われて来た発声、音色、和声、パートバランス、表現(強弱・抑揚・間合い等)がほぼ高い割合で変化する。
吹奏楽界でも合唱界でも同じであろう。
指導者が替わったことで、それまで実績と実力を有した有名団体が、あっという間に演奏レベルが低下し、全国大会、支部大会、県大会で上位入賞できなくなっていることが多い。
特に、中学校、高校、大学にはありがちな傾向だ。

当然ながら逆の場合もあり、優秀な指導者に交替したことで急速に実力が向上した団体もあるし、交替しても全く実力に影響がない団体もある。
福島県郡山市立第二中学校は、今年指揮者が交替したにもかかわらず、先日開催されたNHK全国学校音楽コンクールでは3年連続金賞受賞。
凄い事だよなあと感心した。
と同時に、それまでの指揮者があった小針智意子氏が今年4月に郡山市立第五中学校へ転勤し、合唱部をいきなりNHK全国学校音楽コンクール全国大会と全日本合唱コンクール全国大会出場へと導いた。
優秀な指導者は、何処へ行こうが短期間で上質なレベルまで引き上げる能力を有している。

福島県立安積黎明高校においては、指導者が星 英一氏から宍戸真市氏へ交替されるも、先日のNHKでは金賞第1位受賞、全日本にも出場する。
安積黎明高校はご存知の通り、故・渡部康夫氏→菅野正美氏→星 英一氏と3人指導者が変わるも、演奏レベルが常に一定している脅威的な環境である。
結局の所、各自の自己責任能力が顕著なのであろう。
 [>]渡部康夫先生ロングインタビューはこちら[計9動画あり]

話が戻って、新生した仙台三桜高校音楽部は、今年のNHK全国学校音楽コンクール全国大会に出場したが、全日本合唱コンクール全国大会へは駒を進めなかったようだ。
[東北支部大会:銀賞第17位]
 [>]東北支部大会結果はこちら
先日のNHKの演奏を鑑賞したが、【三女サウンドと三女発声】は健在。
「A母音」「E母音」が明快で明るい発音、私は大好きだ。
銅賞入賞できるなあと感じたが、残念ながら入賞できず。
課題曲の冒頭、Nハミング?又はMハミングが失敗したのであろうか。
声量があまり出ず、始まりのワクワク感が薄れていたが..... 少し違和感を感じた。
楽譜を拝見していないので間違っているかもしれないが、冒頭は「A」「O」のヴォカリーゼでも「ハミング」でもどちらでも良かったようだ。
自由曲[霧明け/曲:高嶋みどり]のソプラノ最終音、fp<ffの最高音が破綻したのが、非常に残念。
宮崎女子高校があの曲をNコン全国大会で選曲した際も、最終音はややぶら下がりで、和声が破綻ぎみ(他パートも要因か)
今年の全日本合唱小クール全国大会中学校同声の部で、所沢市立狭山ヶ丘中学校合唱部(埼玉県)が同曲を選曲予定。
名曲が選曲されることは、合唱界にとって良い方向だ。
これからも、仙台三桜高校音楽部を応援していうつもりである。
nice!(0)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 0

コメント 4

やま

内藤先生は、古川黎明高校でも合唱の指導をなさっていたと思います。
県大会で宮城三女を上回る成績だったこともあったという記憶があります。
by やま (2010-10-17 22:38) 

malechoirpopeye

やま様
情報提供いただきまして、ありがとうございました。
今後の新生:仙台三桜高校音楽部の飛躍が期待できますね!
by malechoirpopeye (2010-10-18 20:27) 

maria

はじめまして。私は20年以上前に卒業した旧・宮三女音楽部OGです。私達の頃は武田譲先生という素晴らしい先生にご指導いただきました。当時は先生ご自身がまだコンクールに対して積極的ではなく(毎年開催している定演やジョイントコン主流で、コンクールの順位決めの演奏を好まれていなかった)全日本の東北で銀止まりでしたが幸せな3年間が過ごせました。先日のNコンの結果は残念でした。専門的な知識はないので、主さまの専門的解説でなるほど!と納得いきました。ただ昨今のコンクールは聴き手側に見せる(聴かせる)演奏が少ないなぁ・・と素人ながら感じております。元来コンクールは優劣をつけるためものですが、「歌心」的なものを感じ取れず・・
技術はまだまだでも、指導される先生と一体感が感じられる歌声に一番感動いたします。
桑折先生も存じ上げておりますが長年ご指導された後、あの大所帯を引き継がれている内藤先生には、傍からは想像できないほどのご苦労もお有りと思います。今後を引き継いだ後輩達が内藤先生との信頼関係を保ち、仲間と心をひとつにしてまたチャレンジして行ってほしいなと思います。
拙く長い文になってしまい失礼いたしました。
またお伺いさせていただきます^^
by maria (2010-10-18 22:58) 

malechoirpopeye

maria様
詳細かつ丁寧なコメントを頂戴し、感謝です!
ありがとうございます!!
やはり「三女」(さんじょ)という言葉と響きがしっくりしますね(笑)
ご指摘の通り、聴き手の心に通じる「演奏者の気」「聴き手を心地良くする歌心」という点が、コンクールでは感じることが少ない現状です。
コンクールは競技ですから、技術力が勝っていないとまずは勝負にならないという、難儀なイベントですね。
現在は過渡期ですが、内藤氏と生徒達との新しい人間関係が築き上げられ、新たなサウンドと魅力が生まれる事を期待したい!と思います。
必ず、生まれるでしょう!
私はこれからも「三桜」を応援していきます。

作曲家の木下牧子氏が、2002年NHKコンクールを下記の通り批評しています。
「三女」について非常に的確に高評価していましたので、参考にご覧ください。私も同感でした。
http://www.asahi-net.or.jp/~az4m-knst/news_bucknumber/news37.html

今後共、宜しくお願いします。
by malechoirpopeye (2010-10-19 21:13) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0