第32回全日本おかあさんコーラス関東支部大会

7/6（日）、さいたま市文化センター大ホールで開催された《第32回全日本おかあさんコーラス関東支部大会》を鑑賞した。
ポパイ：N島団長、N君、O島さんとご一緒した。
目的は、コーラル・クローバー（指揮：大岩篤郎／28名）の演奏を聴くこと。
おかあさんコーラス大会において、コーラル・クローバーは過去何度も関東支部大会へ駒を進め、2回全国大会へ出場した実績と実力を持つ団体。

　▶女声合唱とピアノのための『民話』〜「でんせつ」（アカペラ）
客観的な感想として、音楽性を前面に出した正統派の演奏で、それまで聴かせていただいた団体とは違い、テクニカルと柔らかく【いい声】を有した群を抜いた演奏。
人の目を引く華やか派手な衣装に逃げず、唐突な振付けやハッとする演出、フォーメーション移動もなく、奇を衒わず、曲の魅力をきちんと表現して、印象度が高い。
パートバランスでは、ややアルトが弱い箇所が見受けれたが、そんなことは小さな指摘事項。
近年のコーラス・クローバーの出来映えとしては、素晴らしかったと思う。

結果は優秀賞、残念ながら【抽選】に漏れ全国大会へは出場できず。
　［ 翌日の朝日新聞埼玉版に、カラー写真入りで結果が紹介されていた ］
優秀賞は、朝日コンクールで喩えるならば金賞という位置付けであると思われるが、上部大会へ出場できないので、ダメだった金賞−通称［ダメ金］といった所か。
全国大会へは埼玉県からわかばコールハーモニックと浦和女声合唱団の2団体が出場。
わかばコールハーモニックは、イル・カンパニーレを指導するYARO会の親分：小高先生が指揮され、野島先生がピアノ伴奏を務められた。
おめでとうございます！
全国大会は松山市での開催（愛媛県県民文化会館／8/22と8/23）
8/23（日）は埼玉県合唱コンクールであるが、どちらの日程に出演するのであろうか。

おかあさんコーラス大会の表彰方法、関東支部代表の推薦方法が特異だ。
他の支部大会も同様かもしれない。
　▶表彰方法
　　本大会出場団体のうちで、1）演奏の楽しさ　2）メンバー構成　3）ステージマナー　
　　4）独自性　5）音楽性等を総合的に判断し、講師及び選考委員が選んだ優秀賞（約2
　　割）、優良賞（約2割）を表彰
　　参加団体数は7/4（土）48団体・7/5（日）47団体　計95団体
　▶推薦方法
　　各日毎に優秀団体（約2割）が選出される。その中から【抽選】により9団体、開催県
　　から支部長推薦の1団体、合計10団体が全国大会へ推薦される。但し、1）全国大会に
　　出場した団体は、その後2年間は全国大会への出場権はない。2）優秀団体受賞団体の
　　中で、過去5年間に3回抽選もれの団体が、次の年に優秀賞を受賞した場合、無抽選で
　　全国大会へ出場できる。

数多い女声合唱団に、晴れ舞台を経験していただき、ずっと合唱音楽を続けて欲しい、盛り上げて欲しいという主催者側の意図があるのであろう、と私は解釈している。
日本の合唱界は、女声合唱団に支えられていると言っても過言ではない。
吹奏楽の世界では【全国大会3年連続出場／翌年1年出場不可】、いわゆる【3出1休】制度が定着している。
コンクールというイベントを、狭く限られた一部関係者だけのイベントにしたくない、コンクール至上主義の払拭、中高校生の燃え尽き症候群を少しでも防ぐ意図もあるのであろうか。

いずれにせよ、こうした門戸を広げる主催者の配慮により、全国大会へ出演する機会や可能性が高まったのである。
しかしながら、門戸が開かれているとはいえ、厳しい推薦方法である。
【抽選】も実力の一要素ということ。
過去5年間に3回抽選もれで（ほぼ毎年支部大会へ出場し、毎回優秀賞受賞が絶対条件）、翌年に優秀賞受賞という条件は、非常に困難で厳しいなあ。

プログラム冒頭に、全日本合唱連盟理事長：浅井氏の挨拶文が掲載されていた。
　〜おかあさんコーラス大会は、個性豊かな「総合芸術」です。
　　すてきな音楽と、それをより生かす演出によって、女性にしか出せない美しさが
　　舞台で花開きます。
　　世界中で日本にしかないこの大会を、私がいつも誇りに思っています。〜

エンターテイメントを重要視する大会、朝日コンクールとは一線を画す大会であるのは理解できるが、音楽性以外の評価要素に力点が置かれている印象を持ったのは私だけではないであろう。
周囲に着席していた聴衆の多くは「素敵な衣装ね〜」、衣装の早変わり、振付けの度に「あら〜」と声を漏らしたり等。
全国大会はもっと華やかなステージと化し、まさしくミュージカルステージなのであろうか。
あくまでも私の偏見ある見方であるので、失礼する。